【最新版】住み替えでも住宅ローン控除は使える|特例や確定申告の手続きも解説!

【最新版】住み替えでも住宅ローン控除は使える|特例や確定申告の手続きも解説!
  • 家を住み替えたいけど、住宅ローン控除はどうなるの?
  • 家の譲渡益が出ているが、住宅ローン控除と特例のどちらが得か知りたい
  • 住宅ローン控除を受ける際の確定申告の手続きが分からない

家を買い替える際、住宅ローン控除について疑問を持つ方は多いです。一定の要件を満たせば、住み替えでも住宅ローン控除を活用することが可能です。しかし、適用要件や確定申告の手続きを正しく理解しておかないと思わぬ損をしてしまうことも

この記事では、住み替え時の住宅ローン控除の適用要件や住宅の住み替えに関する特例、確定申告の手続き方法などについて、わかりやすく解説します。

記事を読めば、住み替えでも住宅ローン控除や特例を活用し、節税メリットを最大限に生かす方法が明確になります。人によって住宅ローン控除と特例、どちらが得になるかは異なります。具体例を踏まえ、住宅ローンが得になるケース、特例が得になるケースも解説しているため、家を買い替える方は、ぜひ最後までチェックしてください。

住宅ローン控除とは住宅ローン残高に応じて税金が戻る制度

住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)とは、年末の住宅ローン残高に応じて、所得税や住民税の一部が控除される制度のこと。
支払った分の税金が還付されるため、実質節税効果が期待できます。
住宅ローン控除について要点は以下のとおりです。

  • 住宅ローン控除に関する最新情報と改正ポイント
  • ローン残高の上限は住宅の省エネ性能により異なる
  • 控除額は3つの額の1番低い額が適用される
  • 控除期間は新築と中古で異なる

住宅ローン控除に関する最新情報と改正ポイント

近年、住宅ローン控除制度は、国の住宅政策や環境政策、子育て支援策などに合わせて改正が進んでおり、子育て世代への優遇や、省エネルギー性能を重視した住宅への優遇措置が取られています。

2025年度の与党税制改正大綱が決定し、子育て世帯などに対し、控除の対象となるローン残高の上限を拡充する措置を2025年の入居まで延長することになりました。
具体的には、借入限度額について、子育て世帯・若者夫婦世帯が2025年に新築住宅等に入居する場合、これまでの水準(認定住宅:5000万円、ZEH水準省エネ住宅:4500万円、省エネ基準適合住宅:4000万円)を維持するという内容です。
子育て世帯・若者夫婦世帯とは、「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」を指し、通常より控除の対象となるローン残高の上限が拡充されています。

子育て世帯にとって、住宅ローン返済の負担軽減に繋がる可能性があり、生活設計や将来設計がしやすくなるため、住宅市場全体の活性化も期待できます。
今回の措置は、今後の国会で関連税制法が成立することを前提としています。住宅ローン控除制度は、改正が多いため、自身の住宅購入や住み替えのタイミングで、必ず最新の情報を確認してください

>>国土交通省「住宅ローン減税の子育て世帯等に対する借入上限額の上乗せ措置」(外部リンク)

ローン残高の上限は住宅の省エネ性能により異なる

住宅ローン控除の適用において、年末のローン残高が控除計算の基礎となりますが、その残高に対する上限額は、住宅の省エネルギー性能によって決まっています。環境にやさしい住宅を購入することを奨励するため、各住宅の種類ごとに控除対象となるローン残高の上限が設定されています。

認定長期優良住宅・認定低炭素住宅
認定長期優良住宅や認定低炭素住宅は、耐久性や省エネ性能、環境配慮の点で優れていると認定された住宅のこと。
これらの住宅は、2025年入居の場合、最大5000万円のローン残高が控除対象となるため、最も控除効果が期待できます。
ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の省エネ住宅は、高い断熱性能と省エネ設備を備えた住宅で、エネルギー消費量が極めて低く、再生可能エネルギーの利用なども積極的です。
この住宅は、2025年入居の場合、最大4500万円までのローン残高が控除対象となります。
省エネ基準適合住宅
省エネ基準適合住宅は、国の定める省エネ基準をクリアした住宅です。
控除対象となるローン残高の上限は、2025年入居の場合、最大4000万円に設定されています。
その他の住宅
上記以外の住宅で、2023年までに建築確認を受けた新築住宅の控除対象となるローン残高の上限は、最大2000万円です。2023年までに建築確認を受けていなければ、環境性能に応じた優遇は受けることができません。

控除額は3つの額の1番低い額が適用される

住宅ローン控除で実際に受けられる控除額は、以下の3つの計算方法による額のうち、最も低い金額が適用されます。

年末ローン残高の0.7%の額
毎年の控除額は、基本的に「その年末の住宅ローン残高✕0.7%」で計算されます。
例えば、年末ローン残高が4000万円の場合、4000万円✕0.7%=28万円なり、28万円が控除額となります。
1年の最大控除額
住宅の種類ごとに、1年間で控除できる上限額が定められています
例えば、新築住宅の場合、21~35万円(住宅の性能やローン残高により異なる)が1年間の最大控除額となります。年末ローン残高が6000万円ある場合でも6000万円✕0.7%=42万円とはなりません。
所得税額+住民税額
控除は、まず所得税から差し引かれ、残りが翌年の住民税から控除される仕組みとなっています。
住民税からの控除額は最高9.75万円と上限があるため、実際に控除される金額は「その年の所得税額+住民税額(上限9.75万円)」の範囲内に制限されます。
例えば、所得税が10万円、住民税が20万円の場合、控除される金額は、所得税10万円+住民税9.75万円=19.75万円となります。

例として、以下のケースを想定します。

  1. 年末ローン残高:4000万円
  2. 認定長期優良住宅(控除対象上限5000万円)
  3. その年の所得税10万円・住民税20万円

想定のケースでは、控除額の計算方法は以下のとおりです。

  1. 4000万円✕0.7%=28万円
  2. 5000万円✕0.7%=35万円
  3. 10万円+9.75万円=19.75万円

この場合、実際に控除できるのは、3つの額の中で最も低い額の19.75万円が適用されます

控除期間は新築と中古で異なる

住宅ローン控除の適用期間は、新築と中古で異なります。住宅ローンの控除期間が長いほど、長期間にわたって税金の軽減効果を享受できます。控除期間は以下のとおりです。

  • 新築住宅・買取再販:13年
  • 既存住宅(1982年以降に建築された住宅):10年
子育て世帯・若者夫婦世帯※1の上限額子育て世帯・若者夫婦世帯以外の上限額控除率控除期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅5000万円4500万円0.7%13年
ZEH水準省エネ住宅4500万円3500万円0.7%13年
省エネ基準適合住宅4000万円3000万円0.7%13年
その他の住宅0円※20円※20.7%13年
新築住宅・買取再販

※1 「19歳未満の子を有する世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」

※2 2023年までに建築確認を受けた新築住宅は2000万円

上限額控除率控除期間
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅3000万円0.7%10年
ZEH水準省エネ住宅3000万円0.7%10年
省エネ基準適合住宅3000万円0.7%10年
その他の住宅2000万円0.7%10年
既存住宅※3

※3 既存住宅は新耐震基準適合住宅に限る

住み替えで住宅ローン控除を利用するための要件

住み替えで住宅ローン控除を受けるためには、以下の各要件を満たす必要があります。それぞれの条件を確認し、手続きや申告の際に漏れがないように注意しましょう。

  • 住宅取得後6ヶ月以内に入居している
  • 控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住している
  • 家屋の床面積が50㎡以上である
  • 床面積の2分の1以上を自己の住居として使用している
  • 住宅ローン等を利用している
  • 住宅ローン等の返済期間が10年以上で分割して返済している
  • 控除を受ける年の所得金額が2000万円以下である
  • 認定住宅等や中古住宅の場合は、さらに個別の要件が必要になる

>>国税庁「マイホームを持ったとき」(外部リンク)

住宅取得後6ヶ月以内に入居している

住宅ローン控除を受けるには、住宅取得後6ヶ月以内に入居しなければなりません。
住宅ローン控除は、住宅を自分が住む家として利用する人のための制度だからです。例えば、2025年4月1日に住宅を購入した場合、2025年10月1日までに住み始める必要があります。
6ヶ月を過ぎても入居していない場合、住宅ローン控除は適用されません

控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住している

控除を受ける年の12月31日まで住んでいることも要件の一つです。
例えば、2025年4月に入居しても、2025年10月に転居してしまった場合、その年の控除は受けられません。
ただし、一時的な出張や転勤などで別の場所に住む必要がある場合でも、自宅として維持していれば例外的に認められる場合もあります

家屋の床面積が50㎡以上である

住宅ローン控除の適用には、住宅の床面積が50㎡以上であることが条件です。
50㎡は、約15坪に相当します。一般的な2LDK等のマンションであれば、この条件を満たしていることが多いでしょう。
床面積は、登記簿上の数値で判断されます。部屋の実際の広さではなく、登記された面積が50㎡以上かどうかを確認しましょう。

例外として、家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合で、控除を受ける年の所得金額が1000万円以下であるとき、控除を受けれる場合があります。
床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、一度税務署等に相談しましょう。

床面積の2分の1以上を自己の住居として使用している

住宅ローン控除は、自分が住む家を対象にしているため、家の半分以上が住居として使われている必要があります。
例えば、住宅の一部を店舗や事務所として利用する場合、住居部分が全体の50%以上でなければなりません。

100㎡の家で、住居部分が60㎡、事務所が40㎡であれば、住宅ローン控除の対象となります。一方100㎡の家で、住居部分が40㎡、事務所が60㎡の場合、住宅ローン控除の対象となりません。
自宅兼オフィスや店舗併用住宅を購入する場合は、面積の割合に注意しましょう

住宅ローン等を利用している

住宅ローン控除を受けるためには、民間の金融期間や独立行政法人住宅金融支援機構などの住宅ローンを利用している必要があります
住宅を現金一括で購入した場合などは、住宅ローン控除を受けることはできません。

ただし、住宅ローン等を利用しない場合でも、認定住宅またはZEH水準省エネ住宅を新築・取得した場合、一定の要件に当てはまれば、認定住宅等新築等特別税額控除を受けることができます。
認定住宅等新築時特別税額控除の概要や手続き等については、以下の国税庁のウェブサイトでご確認ください。

>>国税庁「認定住宅等の新築等をした場合」(外部リンク)

住宅ローン等の返済期間が10年以上で分割して返済している

住宅ローン控除を受けるためには、ローン返済期間が10年以上でなければなりません。
例えば、住宅ローンを8年で完済する計画の場合、この控除は利用できません。
住宅ローンを一括で返済する場合も対象外となります。必ず分割で返済することが条件です。
途中で繰り上げ返済をしても、結果として返済期間が10年未満にならなければ問題ありません。

控除を受ける年の所得金額が2000万円以下である

住宅ローン控除を受けるには、控除を受ける年の所得金額が2000万円以下でなければなりません。ここでいう所得金額とは、合計所得金額のことで、給与所得、事業所得、株式等に係る譲渡所得、不動産所得、退職所得金額等の合計額をいいます。

合計所得金額が2000万円を超える年分については、住宅ローン控除の適用を受けることはできませんが、2000万円以下の年分については、適用が可能です。
買い替えの譲渡益がある場合は注意が必要です。給与所得等と譲渡益を足した額が2000万円を超えた場合、住宅ローン控除を受けることができません

認定住宅等や中古住宅の場合は、さらに個別の要件が必要になる

認定住宅等や中古住宅の場合、上記要件のほかに個別の要件が必要になります。

  • 認定住宅を新築・所得した場合:長期優良住宅建築計画の認定通知書(又は低炭素建築物新築等計画の認定通知書)及び住宅用家屋証明書などにより証明されたものであること
  • ZEH水準省エネ住宅又は省エネ基準適合住宅を取得した場合:住宅省エネルギー性能証明書又は建設住宅性能評価書などにより証明されたものであること
  • 中古住宅の場合:昭和57年1月1日以後に新築された等、耐震住宅と証明されたものであること

同時に2軒分の住宅ローン控除は利用できない

住み替えの場合、古い住宅と新しい住宅の両方で住宅ローン控除を同時に受けることはできません。住宅ローン控除を利用するには、取得後6ヶ月以内に居住し、控除を受ける年の12月31日までに住み続けている必要があります。

2以上の住宅を所有している場合、主として居住していると認められる住宅について、住宅ローン控除が適用されるため、同時に2軒分の住宅ローン控除を利用することはできません。

住み替えで住宅ローン控除を適用できない3つのケース

住み替えを行う場合、他の税制優遇措置と重複することにより、住宅ローン控除を受けられなくなる場合があります。住み替えに伴って住宅ローン控除が適用できなくなる主な3つのケースは以下のとおりです。

  • 3000万円特別控除を適用をした場合
  • 長期譲渡所得の特例を適用した場合
  • 居住用財産の買い替え特例を適用した場合

これらの特例は、基本的に譲渡所得に対する優遇措置です。旧住宅の売却時に譲渡損失が発生している場合、そもそも譲渡所得に対する優遇措置(3000万円特別控除、長期譲渡所得の特例、居住用財産の買い替え特例)の適用対象外です。譲渡損失が出ている場合、これらの特例を利用する必要がないため、住み替え後の新住宅に対して住宅ローン控除が適用できます

3000万円特別控除を適用した場合

3000万円特別控除を適用した場合、住宅ローン控除を利用することはできません。3000万円特別控除とは、マイホーム(居住用財産)を売却した際、一定の条件を満たす場合に譲渡所得から最大3000万円控除できる特例のこと。
譲渡所得は、売却価格−(譲渡費用+取得費用)で計算できます。
譲渡所得が3000万円以下の場合、税金はかかりません。3000万円を超える場合も超過分のみに課税される仕組みのため、マイホーム売却益がある場合、税金の軽減効果は絶大です。

住み替えで譲渡所得がある場合、3000万円特別控除を適用するか、新居で住宅ローン控除を適用するか、悩む人は多いですが、どちらが得か一概に答えが出るようなものではありません。譲渡所得の額や住宅ローン残高等、さまざまな要因が絡むため、その時々で判断しましょう。

長期譲渡所得の特例を適用した場合

長期譲渡所得の特例を適用した場合、住宅ローン控除を利用することはできません。長期譲渡所得の特例とは、保有期間が10年超の住宅売却時に、譲渡所得に対して軽減税率(14.21%)を適用する制度のこと。
通常、不動産譲渡所得にかかる税率は、所有期間が5年以下の場合は39.63%、所有期間が5年超の場合は20.315%です。

長期譲渡所得の特例を適用すると、所有期間が10年超の場合、課税譲渡所得6000万円以下の部分については、14.21%まで税率が軽減されます。
住宅の保有期間が一定以上の場合、通常よりも低い税率で譲渡所得に課税されるため、税負担が軽くなりますが、住宅ローン控除と併用はできません。

居住用財産の買換え特例を適用した場合

居住用財産の買換え特例を適用した場合も、住宅ローン控除を利用することはできません。居住用財産の買換え特例とは、売却するマイホームより高い金額の住宅に買換えた場合、譲渡所得にかかる税金を将来に先送りする制度のこと。課税されるのは、買換えた住宅を売却するときです。今現金を温存しておきたい場合や売却所得が大きい場合など選択肢となる制度ですが、住宅ローン控除と併用できないため、注意が必要です。

住み替えで住宅ローン控除と併用できる特例(譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

住み替えで住宅ローン控除と併用できる特例もあります。マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例です。マイホームを売却して損失が出た場合、要件を満たせば他の所得と損益通算でき、その年、控除しきれなかった譲渡損失がある場合は、翌年以後3年以内に繰り越して控除することが可能となる特例です。マイホーム(旧居宅)を売却して譲渡損失が発生し、新たにマイホーム(新居宅)を購入した人が対象となっており、住宅ローン控除とも併用が可能です。

住み替えでは住宅ローン控除と3000万円特別控除のどちらがお得か

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住宅ローン控除と3000万円特別控除は併用することができません。住み替えで譲渡所得がある場合、どちらの控除を適用すべきか迷うケースも多いものです。どちらがお得になるかは、ケースバイケースです
それぞれ以下のケースで確認してみましょう。

  • 住宅ローン控除が得になるケース
  • 3000万円特別控除が得になるケース

住宅ローン控除が得になるケース

住宅ローン控除は、住宅購入のために借入れたローンの残高に応じて、所得税や住民税から一定額が控除される制度です。以下のような場合、住宅ローン控除の方が3000万円特別控除よりになる可能性があります。

新居のローン残高が多い場合
毎年の控除額は、「その年末の住宅ローン残高✕0.7%」で計算されるため、ローン残高が多ければ控除できる額も多くなります
省エネ性能が高い住宅を購入した場合
住宅ローン控除の上限額は、住宅の省エネルギー性能によって決まります。認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合(上限額最大5000万円)やZEH水準省エネ住宅の場合(上限額最大4500万円)は、住宅ローン控除が有利に働くケースが多くなります。
高所得者の場合
住宅ローンの控除は、所得税から差し引かれ、残りが翌年の住民税から控除される仕組みとなっています。高所得者で、税金を多く払っている場合、控除できる額が多くなります
旧居の譲渡所得が少ない場合
譲渡所得が少ない場合、3000万円特別控除を適用しても、恩恵は少なく、住宅ローン控除を適用した方が得になるケースが多いです。

住み替えをした場合で、住宅ローン控除が得になるケースとして以下を想定します。

  1. 新居の住宅ローン残高:5000万円
  2. 若者夫婦世帯でZEH水準省エネ住宅を新築で購入(4500万円が控除対象)
  3. 所得税:30万円・住民税:40万円
  4. 旧居の譲渡所得:220万円
  5. 旧居の所有期間:3年(短期譲渡所得の税率39.63%を適用)
  6. 減価償却費などは考慮しないものとする

住宅ローン控除額を計算する場合、①・②・③算出したのうち、最も低い額が適用されます。計算方法は以下のとおりです。

  1. ローン残高5000万円✕0.7%=35万円
  2. 控除上限額4500万円✕0.7%=31.5万円
  3. 所得税30万円+住民税上限額9.75万円=39.75万円

この場合、②の「31.5万円」が毎年の住宅ローン控除額となります。
控除期間は13年のため、31.5万円✕13年=409.5万円(実際はローン返済が進むため、ローン残高が減り、控除額はこれより低くなる可能性があります)

一方、譲渡所得税の計算方法は、④の譲渡所得の金額に、⑤の所有期間に応じた税率を乗じて求めます。想定のケースの場合は、220万円✕39.63%≒87万円となります。
3000万円特別控除を適用した場合、譲渡所得税がかからなくなり、87万円分税金の軽減効果があります。

想定したケースでの控除額は、以下のとおりで、住宅ローン控除方が得となります。

  • 住宅ローン控除を適用した場合:409.5万円
  • 3000万円特別控除を適用した場合:87万円

3000万円特別控除が得になるケース

3000万円特別控除とは、マイホームを売却した際、譲渡所得から最大3000万円控除できる制度です。以下のような場合、3000万円特別控除方が住宅ローン控除より得になる可能性があります。

新居の住宅ローン残高が少ない場合
毎年の住宅ローン控除額は、「その年末の住宅ローン残高✕0.7%」で計算されるため、ローン残高が少なければ控除できる額も少なくなります。頭金が多く、住宅ローン残高が少ない場合などは、3000万円特別控除を適用した方が得になることがあります。
省エネ性能が低い住宅を購入した場合
住宅ローン控除の上限額は、住宅の省エネルギー性能によって決まります。認定長期優良住宅の場合、上限額は最大5000万円なのに対し、省エネ基準適合住宅の場合は3000万円となっています。
低所得者の場合
住宅ローンの控除は、所得税から差し引かれ、残りが翌年の住民税から控除される仕組みとなっています。低所得者で、税金の支払いが少ない場合、住宅ローン控除控除できる額が少なくなります
旧居の譲渡所得が多い場合
譲渡所得が多い場合、3000万円特別控除を適用した方が、住宅ローン控除を適用するより得になることが多いです。

住み替えをした場合で、3000万円特別控除が得になるケースとして以下を想定します。

  1. 新居の住宅ローン残高:1000万円
  2. 子育て特例対象外で省エネ基準適合住宅を新築で購入(3000万円が控除対象)
  3. 所得税:10万円・住民税:20万円
  4. 旧居の譲渡所得:3000万円
  5. 旧居の所有期間:8年(長期譲渡所得の税率20.315%を適用)
  6. 減価償却費などは考慮しないものとする

住宅ローン控除額を計算する場合、①・②・③で算出した額のうち、最も低い額が適用されます。計算方法は以下のとおりです。

  1. ローン残高1000万円✕0.7%=7万円
  2. 控除上限額3000万円✕0.7%=21万円
  3. 所得税10万円+住民税上限額9.75万円=19.75万円

この場合、①の「7万円」が毎年の住宅ローン控除額となります。
控除期間は13年のため、7万円✕13年=91万円(実際はローン返済が進むため、ローン残高が減り、控除額はこれより低くなります。)

一方、譲渡所得税の計算方法は、④の譲渡所得の金額に、⑤の所有期間に応じた税率を乗じて求めます。想定のケースの場合は、3000万円✕20.315≒610万円となります。
3000万円特別控除を適用した場合、譲渡所得税がかからなくなり、610万円分税金の軽減効果があります。

想定したケースでの控除額は、以下のとおりで、3000万円特別控除の方が得となります。

  • 住宅ローン控除を適用した場合:91万円
  • 3000万円特別控除を適用した場合:610万円

住宅ローン控除と特例のどちらが得かシュミレーションしよう

住み替え時には、旧居の売却によって発生する譲渡所得に対する税制優遇措置と、新居の住宅ローン控除とのどちらが有利かを総合的に判断する必要があります
実際の計算は、減価償却費や返済に伴うローン残高の変化なども考慮する必要があるため、上記の具体例より複雑な計算となります。

住宅ローン控除と特例のどちらを適用すべきかは、個々の状況や旧居の売却条件、新居の購入条件、所得水準などに大きく左右されます。単純にどちらが一律でお得とは言い切れません
どちらの制度を適用すべきか、具体的な条件でシミュレーションを行うことが不可欠です。税制は改正されることも多いため、最新の情報を税理士や不動産の専門家に確認しながら、最もお得な選択肢を見極めましょう。

住宅ローン控除を受けるには翌年に確定申告が必要

住宅ローン控除を受けるには入居した年の翌年に確定申告が必要です。手続きをしないと住宅ローン控除を受けることができないため、注意が必要です。確定申告については、以下のとおり詳しく解説します。

  • 確定申告の概要
  • 確定申告の手続き方法
  • 住宅ローン控除のお金の受け取り方法
  • 給与所得者の場合、2年目以降は確定申告が不要

確定申告の概要

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額と、それに対する所得税等の額を計算し、確定させる手続きのこと。通常、会社員や公務員等は確定申告が不要で、個人事業主やフリーランス等、事業所得がある人が主な対象となっています。ただし、会社員や公務員等でも、不動産所得や譲渡所得がある人、住宅ローン控除を受ける人は確定申告が必要です。
確定申告の時期は、おおむね毎年2月16日から3月15日までです。

確定申告の手続き方法

確定申告は、①必要書類を準備する、②書類を作成する、③書類を提出するという手順で行います。

確定申告の必要書類は以下のとおりです。


  • 確定申告書:所得や控除額などを記入するための基本的な書類。国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署で入手する
  • 特定増改築等住宅借入金等特別控除の計算明細書:住宅ローン控除の計算方法に基づいて、控除対象となる住宅の価格やローン残高等を記載する書類。国税庁のホームページからダウンロードするか、税務署で入手する
  • 本人確認書類:運転免許証、健康保険証、パスポートなどの本人確認書類のほか、マイナンバーカードの写しが必要。マイナンバーカードがない場合、通知カードが必要
  • 住宅ローン年末残高証明書:住宅ローンを借入れている金融機関から発行される書類で、年末時点のローン残高が記載されている。10月から11月ころ、自宅に送付される
  • 登記事項証明書:購入した住宅の登記情報が記載された証明書で、住宅の所有権や所在地、床面積などが確認できる。法務局で取得可能。オンラインでも申請できる
  • 売買契約書または工事請負契約書:契約内容を証明するための書類。不動産会社や建築業者から入手可能
  • 源泉徴収票:その年の所得と既に天引きされた税金の額が記載された書類。会社員や公務員など給与所得がある場合に必要。勤務先から発行される
  • 住民票:現在の住所を証明するため住民票が必要になるときがある。役場で入手するか、マイナンバーカードがあればコンビニでも入手できる
  • 住宅性能を示す書類:認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅など該当する場合は、住宅性能を示す書類が必要

必要書類を準備したら、次は書類を作成します。国税庁の公式サイトで、確定申告書の作成方法や記入例が詳しく解説されています。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、パソコンやスマートフォンからオンラインで申告書を作成することができます。入力内容に応じて自動的に計算されるため、初心者でも安心して利用可能です。
書類をダウンロードし、必要事項を手書きで記入する方法もあります。手書きの場合は、記入漏れや誤字に注意しながら、丁寧に作成してください。

>>国税庁「確定申告書等作成コーナー」(外部リンク)

作成した書類の提出方法は、以下のとおりです。

  • オンライン提出(e-Tax):国税庁のe-Taxシステムを利用すれば、インターネットを通じて申告書を提出可能。24時間いつでも手続きができ、提出後すぐに受付確認が得られるため非常に便利
  • 郵送または窓口提出:管轄の税務署に直接持参するか、郵送で提出する方法もある。提出期限内に確実に提出できるよう、余裕を持って準備する

住宅ローン控除のお金の受け取り方法

確定申告の結果、住宅ローン控除が認められると、税金が還付されます。初年度の還付金は、通常、申告後数ヶ月以内に指定した預貯金口座に振り込まれます。振込金額は、所得税の控除分のみで、住民税の控除分がある場合は、翌年6月以降に住民税から差し引かれます
還付金の入金状況は、国税庁のe-Taxシステムで確認できます。

給与所得者の場合、2年目以降は確定申告が不要

住宅ローン控除を受けるためには、初年度のみ確定申告が必要です。給与所得者の場合、2年目以降は勤務先の年末調整により自動適用されるため、確定申告は不要となります。
2年目以降の還付金は、通常、給与に上乗せされる形で還付されます。

年末調整時、勤務先に提出する書類は以下のとおりです。紛失しないよう大切に保管し、勤務先から提出を求められた際、提出できるよう備えておきましょう。

  • 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書:2年目以降、残りの住宅ローン控除年数分がまとめて税務署より送付される
  • 住宅ローン年末残高証明書:毎年10月から11月ころ、住宅ローン借入先の金融機関より送付される

なお、年末調整がない個人事業主等は2年目以降も確定申告が必要です。

確定申告を理解し、住み替え時も上手に住宅ローン控除を利用しよう

確定申告は複雑と感じる人も多いですが、正しく理解すれば、難しいものではありません。家を住み替える場合、要件を満たせば住宅ローン控除が利用可能です。人によっては、住宅ローン控除より、3000万円特別控除を利用した方が得になるケースもあるため、最新情報を確認し、専門家に相談しながら、最適な方法を選択できるようにしましょう。

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