相続登記はいくらかかる?費用の内訳と誰でもできる節約方法を解説!

広告

相続登記はいくらかかる?費用の内訳と誰でもできる節約方法を解説!
  • 亡くなった父母から土地を相続することになった場合、費用はどれぐらいかかる?
  • 相続登記の費用を節約する方法はある?
  • 相続登記する際のベストなタイミングは?

相続登記は土地や家を相続するにあたり、避けて通れない手続きです。しかし、かかる費用について詳しい人は少ないです。手続きも法知識がないと自力では難しく、司法書士を頼る場合は費用が上乗せされます。

この記事では、相続登記にかかる費用の内訳と、節約方法について解説します。記事を読めば、相続登記の費用を抑えることが可能です。もしものときの参考にしてください。

相続登記にかかる費用

相続登記は専門家である司法書士に委託した場合、以下3種類の費用がかかります。

  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬
  • 必要書類取得費用

登録免許税

登録免許税は土地や建物などの不動産を登記する際、法務局に支払う税金です。不動産の種類や評価額に応じて割合は異なり、個別に金額を計算する必要があります。

相続人へ土地や家を相続するときの登録免許税は割合が決まっており、評価額の0.4%です。ただし、当該不動産が特定の条件を満たす場合、軽減税率または非課税が適用されます。

税金の控除制度は、不動産を相続する際の相続税にも影響します。土地や家を相続する方は、登録免許税や相続税には控除制度があることを覚えておきましょう。

登録免許税の計算方法

相続登記にかかる登録免許税を計算するときは、まず基礎となる不動産の固定資産税評価額を算出します。固定資産税評価額が出たら、登記理由に応じて定められた税率を適用し、課税額を計算しましょう。

一般的に相続による名義変更の税率は0.4%で、下限額は1,000円です。固定資産税評価額が100万円の不動産を相続する際の計算式は以下のとおりで、登録免許税は4,000円となります。

100万円(固定資産税評価額) × 0.4% = 4,000円(登録免許税)

ただし、相続する不動産の種類や用途によって税額が変わる可能性があるため、確認が必要です。

登録免許税が非課税になるケース

登録免許税は、特定の条件を満たすと非課税になります。

非課税となるケースは、大きく分けて以下の2パターンです。

  • 固定資産税評価額が100万円以下の土地
  • 相続により土地を取得した方が登記をせずに死亡した場合

ただし、いずれも2025年3月31日までの特例なので注意してください。

「相続により土地を取得した方が登記をせずに死亡した場合」について解説します。自分の両親が祖父母から土地を相続した後、名義変更をせずに死亡したケースが該当します。

両親が死亡した場合に、子は両親が所有する土地を相続しますが、今回のケースでは所有権は亡くなった祖父母です。「両親から相続した祖父母所有の土地」に対して所有権移転登記を行う際、登録免許税が免除となります。土地の取得者が必ずしも自分である必要がない点は留意しておきましょう。
» 不動産相続をする方法は?
» 家の名義変更の方法を解説
» 土地の名義変更の方法を解説

司法書士への報酬

相続登記の申請を司法書士へ依頼する場合、司法書士への報酬が必要です。報酬額は地域や固定資産税評価額により異なりますが、一般的な相場を紹介します。

相続登記における司法書士への報酬は5~15万円程度が相場です。ただし、あくまで目安であり、遺産の規模や相続人の数により大きく変動します。報酬額は司法書士側が自由に設定できるので、同じ相続内容でも司法書士により費用が異なる点は注意しましょう。

司法書士によっては固定料金制や時間制で報酬を設定していることがあり、成功報酬型の契約を提供する事務所も存在します。個別の料金体系については、契約前にしっかり確認してください。

相続案件ではトラブルを避けるために、報酬に関する契約書を交わしておきましょう。契約書があれば報酬額や支払い時期、支払い方法が明文化され、今後の処理がスムーズになります。不明点は司法書士に相談し、納得のいく形で依頼することが大切です。

司法書士への報酬は、相続登記をスムーズに進めるために不可欠な費用です。相続登記を自力で行う自身がなければ、司法書士へ依頼しましょう。

必要書類を取得する費用

相続登記を行う際にはいくつか必要な書類があり、書類の発行には手数料がかかります。

相続登記をするために必要な書類は、以下の表のとおりです。

必要書類対象入手先発行手数料
戸籍謄本相続人および被相続人市区町村役所450円
住民票の除票被相続人市区町村役所300円
住民票不動産取得者市区町村役所300円
固定資産評価証明書不動産市区町村役所400円
登記申請書不動産取得者登記所もしくはオンライン
収入印紙郵便局・コンビニ・銀行登録免許税分
返信用封筒郵便局・コンビニ・銀行封筒代および切手代
必要書類の種類と入手先、取得にかかる費用

相続の状況によっては、代理人の委任状と相続関係説明図の2つも必要です。委任状は司法書士を始めとした、他者に相続登記を依頼する際に使います。司法書士に依頼する場合、委任状の発行は司法書士が行います。

相続関係説明図は、複雑な相続の際にあると便利です。相続関係説明図は、相続人全員の戸籍謄本とともに法務局に提出します。戸籍謄本は、法務局への提出後にもさまざまな場面で必要となる書類です。

相続関係説明図を提出しておけば、戸籍謄本の原本を還付してもらえるため、後々の流れがスムーズにこなせます。相続登記には大量の書類を使うため、費用がかさみます。書類の発行手数料を考慮して予算を組みましょう。

相続登記にかかる費用を節約する方法

相続登記には費用がかかりますが、一定の手順を踏めば節約が可能です。

相続登記にかかる費用の節約方法を以下の3つ解説します。

  • 自分で相続登記をする
  • 費用分担の交渉をする
  • 登録免許税の軽減税率を利用する

自分で相続登記をする

相続登記を司法書士に依頼すると手続きがスムーズに行えますが、費用がかかります。手続きを自分で済ませれば、依頼料分の費用を節約することが可能です。

相続登記は戸籍謄本や住民票などの必要書類を集め、法務局に提出することで行います。登記申請書は法務局のウェブサイトからダウンロードしましょう。ダウンロードした登記申請書を使用し、遺産分割協議書などの相続証明書を作成できます。

詳しい相続登記の方法はインターネットや書籍で勉強できますが、正確な記入と手続きが求められるため細心の注意が必要です。間違いや不備があると登記申請が却下されるため、事前に法務局での流れや必要書類について確認しておきましょう。

手続きに自信がなければ、法務局では相続登記に関する無料窓口が設置されているので、相談するのも良いです。個人での登記申請は時間と労力がかかりますが、費用を抑えられるため検討してください。

費用分担の交渉をする

相続登記の費用を誰が負担するかについては、法律上の明文がありません。費用分担については、相続人同士で十分に話し合う必要があります。円満な解決には、相続財産の価値に応じた公平な分担額の提案が必要不可欠です。

一般的に相続人全員が集まり、登記にかかる総費用を相続財産の価値に比例させ、各自の分担額を決定します。全員が納得できる費用分担計画を策定し、正式な合意書を作成してください。不安であれば弁護士や司法書士を介して合意書を作成することで、遺族間の誤解や紛争を防げます。

万が一合意に至らない場合、調停や裁判を行うことも検討しましょう。適切な交渉と合意形成により、相続登記をスムーズに進められます。

登録免許税の軽減税率を利用する

相続登記には登録免許税の納税が必要ですが、特定の条件を満たすことで軽減税率が適用されます。軽減税率を活用すれば、賢く節税することが可能です。

軽減税率の適用を受けるには相続人の範囲や関係性、適用期間に注意しましょう。申告手続きにあたっては、必要な添付書類や証明書類の準備が欠かせません。特定の条件を守り適切な申告手続きを行うことで、相続登記にかかる費用を節約可能です。

相続登記費用の支払い方法と負担者

相続登記費用の負担額が決まったら、実際に支払いを行います。

支払いの際は、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 現金で支払うのが原則
  • 相続した人が費用を負担するのが一般的

現金で支払うのが原則

登録免許税の支払い方法は、以下の3種類から選べます。

  • 現金
  • 収入印紙
  • キャッシュレス(銀行振込、クレジットカード)

法務局で直接支払う場合、現金では納付できないため、収入印紙で納付する必要があります。印紙は法務局でも販売されているため、不足があれば法務局で購入可能です。

印紙での納付は、登録免許税が30,000円以下であれば可能です。固定資産税評価額が750万円以上のときは、収入印紙での納付ができない場合があるので気をつけましょう。

ネット上での納税に抵抗がなければ、キャッシュレスでの支払いがおすすめです。詳しくは以下の法務局HPで解説されているので、以下を参考にしてください。
» 法務省:不動産登記の電子申請(オンライン申請)について(外部サイト)

支払い時に発行された領収書は確実に受け取りましょう。申請書に領収書を添付していない場合、登録申請が却下されるおそれがあります。適切な支払い方法や管理を理解し、相続登記手続きをスムーズに行いましょう。

相続した人が費用を負担するのが一般的

一般的に相続登記にかかる費用は、相続人が負担します。法定相続分をもとに相続人全員で負担を分担するケースが多いですが、相続人同士で協議し、合意の上で分担もできます。

相続費用は基本的に相続人個人の資産から支払われますが、遺産からの支払いも可能です。被相続人が相続費用対策のために生命保険に入っていた場合、死亡保険金からも払えます。

相続登記は権利移転を決める重大な手続きのため、正確かつ公平な費用の負担は大切です。全ての相続人が納得できる形で費用を取り決めてください。

相続登記に関するよくある質問

相続登記は慣れない手続きのため、疑問を持つ人が多いです。ここでは、相続登記に関するよくある質問を紹介します。

  • 相続登記をするタイミングは?
  • 未登記の不動産が見つかったらどうなる?

相続登記をするタイミングは?

被相続人が死亡し相続が発生したら、相続登記はできるだけ早く行いましょう。適切なタイミングで手続きをすれば、将来的なトラブルを未然に防げます。

相続登記の期限は、不動産の相続を知ってから3年以内です。正当な理由なく期限内の登記を怠った場合、10万円以下の過料が科せられることがあるので注意してください。

相続手続きの際に重要な法定相続情報一覧図の発行には、法務局に申請後、1~2週間ほどかかります。相続手続きに必要な公的書類なので、相続が発生したら法務局に申請してください。

速やかな相続登記の完了は、手続きの円滑な進行や相続人間の紛争防止、不動産の有効活用に役立ちます。相続人全員で協力し、スムーズに終わらせましょう。

未登記の不動産が見つかったらどうなる?

未登記の不動産が見つかると所有権の証明が難しくなるため、相続した方は速やかに登記申請を行ってください。未登記の状態だと不動産の売却や譲渡が難しく、正しい管理が行えません。

登記を進める際は不動産の所在地や面積など、正確な情報を集めることが重要です。市町村役場で図面の閲覧や隣接地の所有者からの証言収集を通じて、不動産の詳細を調べます。可能であれば司法書士に依頼し、適正な登記手続きを行うのがおすすめです。

第三者の占有や取引に関するトラブルが確認された場合、裁判所への申し立てが必要です。未登記の不動産を見つけた際にはなるべく早く処理を行い、将来的なトラブルを予防しましょう。

まとめ

相続登記を行うには多くの費用が必要ですが、賢く節約する方法も存在します。相続登記に必要な登録免許税は不動産の価値にもとづいて計算され、特定の条件下では非課税になります。

司法書士への報酬は、自身で手続きを行うことで節約可能です。法務局に行き必要書類の取得・申請を行う必要があるため、ネットや書籍で手順をしっかり確認してから行いましょう。

相続時は極力トラブルを防ぐため、相続人全員で丁寧に話し合うことが必要です。スムーズに手続きを終わらせ、相続人全員が納得のいく相続ができるよう努めてください。
» 空き家問題の原因とは?
» 空き家を売却する方法
» 不動産売却の基礎知識と不動産会社の選び方を解説!